扶養の範囲内で在宅ワークを続ける3つの注意点と確定申告の必要性を解説

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在宅ワークで空いた時間に仕事をして収入を得たい、収入を得ても扶養の範囲で仕事をしたい方は多いと思います。

在宅ワークと一言に言っても職種や仕事内容はさまざまで、複数の在宅ワークを行っている方の中には気づいたら扶養の範囲を超えていた、ということもあるので注意が必要です。

扶養の範囲内で仕事を続けるためには、気を付けたいポイントがいくつかあります。

ここでは、在宅ワークで扶養の範囲内で仕事を続けるときに気を付けたいポイント、さらに確定申告の必要性について実体験を含めて見ていきたいと思います。

在宅ワークを始めたきっかけ

在宅ワークを始めて約4年ほどになりますが、始めたきっかけはクラウドソーシングサービスで在宅で仕事を始められることを知ったことがきっかけでした。

子どももまだ2歳くらいで小さく、外で働くよりも在宅で家にいながら仕事ができたら良いな、と思いクラウドソーシングサービスでお仕事を探し、ライティングの仕事を見つけたことがきっかけでした。

扶養の範囲内で仕事をしようと思った理由

扶養の範囲内でお仕事をしていますが、正直な気持ちとしてはもっと収入をアップできるならより多く収入を得たいと思っています。

ですが、扶養の範囲を超えるとなると気になることが2つありました。

  • 社会保険の扶養から抜けること。
  • 長く続けられるか、安定して収入を得られるか気になったこと。
  • 税制面で控除を受けられなくなること。

税制面でも扶養控除などの優遇措置のことを考えると、ある程度しっかり収入を得られるまで扶養の範囲内で在宅ワークを続けた方が良いと思いました。

扶養の範囲を超えると健康保険や年金といった社会保険は自分で加入し、保険料を支払うことになります。
そうなると、長く続けられること、安定して収入を得ていくことがポイントになってきます。

こういった理由から、まずは安定して収入を得られるまで、扶養の範囲内で在宅ワークを続けていこうということになりました。

在宅ワークで扶養の範囲内で収入を得るためのポイント

在宅ワークで扶養の範囲内で収入を得るポイントにはこういったことがあります。

収入額を月10万円以下に抑える

扶養の範囲内で仕事を続ける場合、基本的なポイントとしては「年間130万円以下の収入に抑える」ということはご存じの方も多いと思います。

年間130万円以下ということは基本的に月収10万8334円以下ということになります。

「月10万円以上可」の案件に注意

在宅ワークの募集では「月10万円以上可」「すき間時間に高収入」といった案件もあり、在宅ワークのお仕事にはさまざまな職種、仕事内容の案件が多くあります。

より多くの収入を得られるということで「月10万円以上可」といった案件を選ぶ方も多いかと思いますが、扶養の範囲内で仕事を続ける場合は収入を月10万円以内に抑えることがポイントです。

細かく管理できる場合は良いですが、気付いたら扶養の範囲を超えていたという事態を防ぐためぜひ意識しておきましょう。

扶養の範囲内で住民税・所得税が非課税になる範囲

在宅ワークでもパート・アルバイト・会社員など正規雇用と同じように一定額を超えると所得税、住民税の支払い義務が発生します。

扶養の範囲内で、さらに所得税、住民税が非課税の範囲で在宅ワークを行いたい場合は、

  • 所得税・住民税の両方を非課税にしたい場合は「年間収入48万円以下
  • 所得税の支払いあり、住民税を非課税にしたい場合は「年間収入100万円以下

に抑えることがポイントになります。

※ただし、住民税については自治体によって収入の基準が異なる場合があるため、住民税の課税対象となる収入額については管轄の市役所・区役所の市民税課に確認しておくと安心して在宅ワークを行うことができます。

扶養の範囲内で働く:在宅ワークとパート・アルバイトの違い

扶養の範囲内で働く場合、パート・アルバイトで働く場合と在宅ワークでは異なるポイントがあります。

それは所得税の算出方法で「年間の収入総額から55万円を引いた額を所得額とするかどうか」ということです。

パート・アルバイトのように事業者に雇用されて働く場合、年間の収入総額から55万円を差し引いた額を所得額として所得税が算出されます。

そのため、年間収入が100万円でも控除額55万円を引くと所得額は45万円となり、所得税非課税の範囲(年間48万円以内)に入るため所得税はかからないということになります。

しかし、在宅ワークは事業主に雇用されているわけではなく個人事業主・フリーランス・自営業の扱いとなるため、パート・アルバイトのように年間55万円の控除を受けることは基本的にできないとされています。

ですが、ここでぜひ知っておきたいのが在宅ワークでも経費として年間55万円の控除を受けられる家内労働者の特例という制度です。

在宅ワークでも年間55万円を差し引くことができる

在宅ワークでもパート・アルバイトで働く方と同じように年間55万円を引いた金額を所得金額とする特例措置を受けることができます。

この特例は「家内労働者の特例」という制度で、実際に自身も確定申告時に家内労働者の特例の書類を添付して税務署へ提出し適用を受けています。
(ご参考までに:自身の年間の総収入額は90~100万円の範囲です。)

家内労働者の特例を適用した確定申告についてはこちらの記事でご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。

複数の収入源がある場合は総額で扶養の範囲内かを確認する

在宅ワークを複数請け負っている場合はすべての収入を合算した総額が扶養の範囲内となるかの基準額となります。

収入源が複数ある場合は合算した総額が基準額になる

在宅ワークで複数の収入源がある場合は、1つの仕事に対しての収入額ではなく、課税対象となる全ての収入の総額で扶養の範囲に収まるかどうかを見ることになります。

在宅ワークの主な収入源

在宅ワークの主な収入源にはこのような形態があります。

在宅ワークの主な収入源の例
  • ブログ運営、アフィリエイトで収入を得る。
  • クラウドソーシングを利用して収入を得る。
  • 商品を仕入れネット通販で販売する。
  • ハンドメイド作品をネットで販売する。 など

上記のようにアフィリエイト収入、クラウドソーシングサービス、ハンドメイド作品の販売などで収入を得ている場合は全ての収入を合算して扶養の範囲かどうかを見ることになります。

自宅の不用品などを売った収入はどうなる?

ここで気になるのが不用品などを売った収入についてですが、不用品を売った収入は基本的に確定申告の対象にはならないとされています。(※)

※一時的な収入で営利目的でない場合

ですが、下記に該当する場合は確定申告の対象になる場合もあるので注意が必要です。

確定申告の対象になる可能性のあるケースの例
  1. 高額な売値で取り扱われる商品(宝石、骨董品など)を売った収入
  2. 不用品を継続的(定期的・頻繁に)売って収入を得ている場合

2.については継続的に売って収入を得ている場合、営利目的とみなされることがあり所得税の課税対象となることがあります。
上記のケースに当たる場合は確定申告が必要になる可能性があるので、管轄の税務署に確認しておくと安心です。

扶養の範囲内でも確定申告を行っておく

確定申告を行う基本的なポイントとしては、

  • 基礎控除48万円を超えると所得税の課税対象になる。
  • 在宅ワークでパートと同じように55万円の控除を受ける場合は確定申告が必要。
  • 後で未納の税金が発覚すると追徴課税のペナルティを受けることがある。

といったポイントがあり、税制面の優遇措置を受けられる、収入面を管理することで扶養の範囲内で仕事を続けやすくなるといったメリットがあります。

扶養の範囲内で在宅ワークを行う際の社会保険手続き

さらに、扶養の範囲内で在宅ワークを行う上で健康保険・年金といった社会保険の手続きは、被保険者(社会保険に加入している本人)の健康保険に被扶養者として加入することになります。

ここで必要になるのが「収入の証明」になります。

年間収入が全くない=0円であれば、市役所で非課税証明書(所得証明書)を発行してもらい、提出書類に添付するだけで手続きできることがほとんどですが、年間収入がある場合は扶養認定のための確認書類の提出を求められることがあります。

健康保険の扶養認定で確定申告の控えが必要となる場合がある

在宅ワークで収入がある場合、年間48万円以下の収入でも非課税証明書(所得証明書)に収入額・所得額が明記されるため、税務署の印鑑が押された確定申告書の控え(または準ずるその他の書類)の提出を求められることがあります。

年間収入が48万円以下の場合、所得税がかからない範囲なので確定申告は基本的にしなくても良いとされていますが、就職・転職などで健康保険の切り替えが発生した場合、扶養認定のため被扶養者の確定申告の控えを提出することもあります。

年間収入48万円以下でも確定申告の控えが収入の証明書類になる

非課税の場合、非課税証明書の提出だけで済む場合は問題ないですが、収入がある場合、収入の証明となる書類の提出を求められることがあります。

こういった場合でも確定申告をしておくと健康保険の切り替え時など扶養認定の確認書類として確定申告の控えを提出できるので、スムーズに手続きを進められるといったメリットがあります。

また、確定申告をしておくことは今後、確定申告が必要な収入額になったときも手続きしやすくなるのでそういった意味でも将来的にメリットがあるといえるでしょう。

収入がある場合の提出書類については加入する健康保険によって異なるので、必要な添付書類を確認して提出しましょう。

非課税証明書(所得証明書)の提出が必要な理由

健康保険の適正利用のため、被扶養者が扶養基準に該当するかを確認するため、また、被保険者と同居・別居の状況を公的な書類で確認するために提出することが求められています。

自治体によっては年間収入がない=0円の場合、非課税証明書(所得証明書)の発行ができない場合もあります。
発行ができない場合は、市民税・県民税の申告書で無収入であることを申告してから手続きを行うと発行してもらえることが多いです。

非課税証明書(所得証明書)の発行ができない場合は、市役所・区役所の市県民税の窓口で一度相談してみると良いでしょう。

会計ソフトを使って確定申告に備える

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扶養の範囲を超えてしまったときに気を付けること

ここまで扶養の範囲を超えないために気を付けたいことについて見てきましたが、扶養の範囲を超えてしまったときに気を付けたいことにはどんなことがあるでしょうか。

年間の収入額が130万円(月収10万8334円)を気づいたら超えていた場合、気づいた段階で扶養対象から外れている可能性があるため、できるだけ早めに確認の手続きを行いましょう。

扶養から外れる基準

扶養から外れる基準は一律で決まっているわけではなく、「月収10万8334円を超えた月から」ということもあれば「月収10万8334円を超えた月から続けて3ヶ月間超えた場合」といった基準を基準を設けていることもあり、企業や加入している健康保険によって様々です。

扶養から外れる基準について確認したい場合は、企業や加入している健康保険に問い合わせてみましょう。

そのまま放置しているとペナルティの対象に

扶養から外れている状態でそのまま放置していると、会社の家族手当などの福利厚生を受けられなくなる、さらには会社が虚偽の年末調整を行ったということで会社がペナルティを受けることもあるので注意が必要です。

また、税金面で扶養控除を適用している場合、追徴課税のペナルティを受けることもあるため、予定外の支払いが発生することもあります。

扶養に入っていると福利厚生や税金の控除など、優遇措置を受けられるメリットがありますが、扶養を外れた状態でそのままにしていると後でペナルティを課されることがあります。心当たりがある場合はなるべく早めに確認しておきましょう。

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まとめ

在宅ワークで扶養の範囲内で仕事を続けるために気を付けたいことについて見てきましたが、ポイントは「月額10万円以上の収入に気を付ける」「複数の収入がある場合は合算して月々の収入を割り出す」「確定申告をして健康保険などの扶養認定に備える」といった大きく3つのポイントをご紹介しました。

確定申告については収入額によっては必要ないこともありますが、扶養認定に備える他に税金面について知ることもできるので確定申告をしておくとメリットもあるでしょう。

特に気を付けたいのは気づかずに月収10万8334円を超えていた、ということで、この場合、扶養を抜ける手続きを行わないと被保険者・働いている会社にもペナルティが課されることがあるため注意が必要です。

在宅ワークは働く形としてメリットの多い働き方なので、扶養の範囲内で仕事をしたい方は気を付けたいポイントを参考に扶養の範囲で長くお仕事を続けられると良いですね。
ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

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